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脳腫瘍(良性腫瘍)
●髄膜腫
髄膜腫は脳腫瘍の中で最も多い腫瘍です。そのほとんどが良性のため、ゆっくりと大きくなることが多く、症状が出現する頃には相当に大きくなっていることも少なくありません。手術の難易度は、腫瘍の部位・大きさ・硬さ・周囲の血管や神経との関係性・癒着の程度・出血のしやすさなどの要因によって左右され、腫瘍によって様々です。したがって、手術経験の豊富な施設で手術を受けることが大切です。
当科は、山形県における脳腫瘍治療の拠点として多くの症例を扱っています。一般的な円蓋部髄膜腫はもちろん、頭蓋底再建が必要となるような高難易度の頭蓋底髄膜腫においても形成外科や耳鼻咽喉科と合同で手術を行う体制を構築しており、幅広く治療を行っています。
手術では最新の手術用顕微鏡をはじめ、各種神経モニタリング、内視鏡/外視鏡、ナビゲーションシステムを導入しており、これらを組み合わせて用いることで、手術リスクを最小限に抑えながら腫瘍を最大限摘出することが可能となります。また、術前の栄養血管塞栓術も積極的に導入して治療を進めています。全ての患者さんに可能な訳ではありませんが、髄膜腫は血流の豊富な腫瘍ですので、手術前に腫瘍を栄養する血管を塞栓しておくことで手術中の出血を少なくする効果があります。これも安全性向上への取り組みの一環です。さらに、腫瘍が周囲の重要な血管や神経に癒着していて安全な摘出が困難と考えられる場合には、放射線治療も考慮した治療方針を選ぶことがあり、放射線治療科との協力体制も構築されています。
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